日本昆虫協会
にほんこんちゅうきょうかい Japan Insect Association

〒113-0022 東京都文京区千駄木5-46-6「虫の詩人の館」内
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イベント開催報告/2006年9月24日(日)
本年3回目の初心者向け昆虫標本制作教室
於 虫の詩人の館


 昆虫の標本作りは、対面して説明しないと分かりにくいところが多い
ので、いつも少人数で開催しています。今回もこじんまりとした楽しい
雰囲気の会となりました。みなさん細かい作業、お疲れ様でした。



<実施内容>

1時間目/蝶などの翅展翅

2時間目/カブト・クワガタなどの展脚

・会長の話(下に内容を掲載)
・器具の説明(例/昆虫にピンを刺すのは残酷なことではなく、昆虫の
 体を大切に傷つけずに観察するため)
・標本の作り方(軟化、展翅、展脚、補修、保管についての講習)

・使用した器具(入門セット/展翅版、展脚板、昆虫針3種、まち針、
 ピンセット、展翅テープ、ラベル、標本箱、防虫剤など)
・使用した昆虫(当会で用意した各種の蝶と甲虫。持参された昆虫)




最初に奥本会長の話


<話の要旨>

 昆虫は小さいので、遠くから眺めているだけでは、その種類すらよく分
からないでしょう。
 よく採らずに観察しょうと言う人がいますが、たとえば黒い大きな蝶と
言っただけでは、カラスアゲハなのか?ミヤマカラスアゲハなのか?クロ
アゲハなのか?ナガサキアゲハ、オナガアゲハ、モンキアゲハ・・・??。
さっぱりわかりませんね。
 茶色い蝶といったらタテハチョウやシャノメチョウの仲間ということに
なるのでしょうが、タテハチョウの中のヒョウモンチョウというグループ
だけでも、そっくりなものが10数種類もいます。種類が違えば生息環境も
生態も違います。それでは観察したことにはならないでしょう。シジミチ
ョウやセセリチョウといった小形のグループになるともっとわかりません。
 蝶以外の昆虫も同じです。ゴミムシやコメツキムシ、カマキリ、ハムシ
などを野外でチラッと見ただけで、いったいどんな記録が残せるのでしょ
うか?やはり実物の標本が必要なのです。
 それに、実際に昆虫を捕まえようとすると、いろいろな飛び方や隠れ方
をしますから、おのずとその習性もわかるようになってきます。
 実際に手にとって標本にすると、触覚の曲がりくせや、翅を動かす筋肉
の強さ、脚のつき方や関節の向きなど、いろいろなことがわかります。
 飼っていたクワガタムシが死んだら、庭にお墓をつくって埋めてやるの
も供養になるのでしょうが、埋めたら腐って土に返ってそれで終わりです。
そのクワガタを標本にして、採集や飼育の記録といっしょに大切に保存す
れば、将来役に立つ貴重な資料になります。
 たとえば、江戸時代の日本に、モンシロチョウがいたかどうか、今の学
者が知ろうとすると、古文書や絵画に残る蝶を調べるなど、大変な苦労を
するわけですが、もし江戸時代に捕まえたモンシロチョウの標本が残って
いれば一発で答えがでます。ヨーロッパの国々では、200年前以上も前か
ら(日本では江戸時代)、標本が大切に保存されていて、それが昆虫学の
研究の基礎になっています。日本はその方面が手薄でした。
 皆さんも、昆虫を捕まえたり飼ったりしたときは、がんばって標本を作
り、それを大切に残すようにしましょう。



目の前の標本と格闘。みなさん説明を聞くどころじゃない?



傷つきやすい蝶の翅を整えます。お父さんとスタッフ、二人掛かりの指導。



会長も入門セットでお手本作り。さすがベテラン、早いです。

これからも開催しますので、どうぞご参加下さい。






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